オオイヌノハナヒゲ

 カヤツリグサ科ミカヅキグサ属の多年草(学名:Rhynchospora fauriei)

 本州、四国、九州に分布。山間部の湿原に生え、生育地では普通群生しているが、近畿地方では稀な植物。茎は直立し、高さ40~60cmほど。葉は茎(稈)の基部に集まってつき、茎葉は数個が互生する。花序は茎の上部2~3個つき、小穂が密につく。小穂は長さ8~9mmの披針形。鱗片は薄く、多少の光沢がある。果実は痩果。倒卵形で長さ2mmほど。花柱の基部は円錐形で、熟した果実には光沢がある。花被片は6個。刺針状で果実の3~4倍の長さがあり、表面は平滑または下向きの小刺があるのが本種の特徴。京都府レッドデータブック2015では絶滅危惧種にランクされている。

 京都府内における近縁種には、ミカヅキグサ、トラノハナヒゲ、イトイヌノハナヒゲ、コイヌノハナヒゲ、イガクサ、イヌノハナヒゲがあるが、それらすべてが府レッドデータ・ブックに記載されている。

 果期は8月-10月頃。


オオイヌノハナヒゲ オオイヌノハナヒゲの刺針状花被片
若い果実  2019年8月  南丹市 刺針状花被片には下向きの刺があることが多い  2019年8月  南丹市
オオイヌノハナヒゲ オオイヌノハナヒゲの花序
山間湿地に生えるオオイヌノハナヒゲ  2018年8月  亀岡市 茎頂の散房花序  2018年8月  亀岡市
オオイヌノハナヒゲの花序 オオイヌノハナヒゲの鱗片
小穂は密につく  2018年8月  亀岡市 鱗片の質は薄い  2018年8月  亀岡市
オオイヌノハナヒゲの果実 オオイヌノハナヒゲの果実
刺針状花被片の長さは果実の3~4倍  2018年8月  亀岡市 花柱の基部は円錐形  2018年8月  亀岡市
オオイヌノハナヒゲ(動画)
2019年8月 亀岡市
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