ナンバンギセルの育成記録
ナンバンギセルは自分では葉緑素を持たず、他の植物の根から必要な栄養を吸い取る寄生植物です。管理人が確認した中では、ススキとミョウガが宿主となっていました。またナンバンギセルは園芸店でもよく販売されています。よく見かけるのは開花時期の8月頃で、斑入りのススキに宿ったものが売られています。ナンバンギセルは1年草のため、購入したナンバンギセルを毎年咲かそうと思えば、晩秋から初冬にかけて熟した種子を宿主の根元に取り撒きする必要があります。後は用土が乾燥しないように管理し、宿主となる植物が健康に育つよう心掛けるだけで、翌年にはより多くの花が見られるでしょう。 ここでは、植栽しているナンバンギセルのライフ・サイクルを紹介しています。 |
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11月中旬 宿主を用意します。 ここではイネ科のススキの仲間を山土に植えています。販売されているような斑入りのススキなら、ナンバンギセルの花期には見栄えがすると思いますが、このススキは近所の池の土手に生えていたものです。用土は市販の赤玉土や鹿沼土などに腐葉土を適量混ぜたもので大丈夫だと思います。根が大切なので、根腐れを起こさないように水はけの良い土を選びます。 |
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11月下旬 種を撒きます。 宿主が用意できたら、ナンバンギセルの果実から種子を取って、宿主の周りに撒きます。宿主の根は翌春には植木鉢全体に広がっているので、種子も地上面全体に撒くようにします。 果実は熟れると画像のように表面が割れ、白く小さな種子が見えてきます。1個の果実に種子はすごくたくさん詰まっているので、種撒きの時には種子すべてを撒く必要はありません。 |
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8月上旬 宿主はよく育ち、ナンバンギセルものびてきました。 まるでツクシのような姿で、勢いよく生長します。最初茎の細いものも、生長とともに太く大きくなっていきます。 |
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8月中旬 開花が始まりました。 たくさんの芽がでて、早く出たものから順に咲き出します。これだけの数が育てば、宿主のススキが弱るのではないかと心配しましたが大丈夫でした。ミョウガに寄生している自生地では、寄生されたミョウガは相当弱っていたので、植栽する時はイネ科植物をお勧めします。 |
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9月下旬 花が終わり、果実が黒くなってきました。 野生でのナンバンギセルは9月下旬頃まで開花しているものを見るので、花期は長い方だと思います。花が終わると果実が膨らんでいきます。種子を採取するのは、もう少し先になります。枯れた茎は意外と硬くしっかりしていて、時には翌年まで残ることがあります。 |
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ナンバンギセルの植栽記録(動画) | |||
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2019年撮影 | |||
自生地でナンバンギセルを見つけても、寄生植物という性質から、持ち帰っても育てるのは難しいと思われます。上手に宿主と一緒に採取する必要があるからです。ですからやはり最初はお店で購入し、毎年種を取って育てるのがいいでしょう。あるいは管理人のように自生地で種を採取してスタートする方法もありますが、近くに自生地が無いケースの方が多いでしょう。 ナンバンギセルを育てるといより、いかに宿主となる植物を上手く育てるかを考えて管理すれば、種は必ず芽を出してくれると思います。ただ自生地の環境を見ると、あまり陽当たりの良い場所ではなく、土の湿った場所が適しているようです。ですからナンバンギセルが発芽するまでは陽当たりの良い場所で、適度に灌水して宿主を育て、発芽が始まると風通しの良い半日陰に移動するのがいいと考えます。 (サイト内リンク)自生地のナンバンギセル(動画有り) (最終更新日 2019年11月20日) |