バイカオウレンの育成記録



 山地の渓流沿いなどに自生するバイカオウレンは、早春に開花する小型の植物です。明るい日陰や広葉樹の葉陰になるような場所で、水切れをおこさないように育てると、比較的栽培は易しい野草です。現在鉢植えで育てていますが、これは季節によって最適な場所へ簡単に移動させることができるためで、特に夏場は色々考えては場所を移動させています。
 耐寒性には優れています。耐暑性もそこそこありますが、やはり夏は日陰で風通しの良い場所に置くようにします。

 ここでは、植栽しているバイカオウレンのライフ・サイクルを紹介しています。 
バイカオウレン バイカオウレン
2月中旬 2月中旬
 前年の葉は冬のあいだ屋外で霜に当たってきたので紅葉しています。しかし根元を見るとツボミが膨らんでいます。このあと、花茎をのばしながら開花していきます。バイカオウレンは早ければ1月下旬頃から開花が始まります。
バイカオウレン バイカオウレン
2月下旬 2月下旬
 開花して花茎がのびてきました。これから賑やかになってきます。バイカオウレンは一見5弁花のように見えますが、白い花弁に見えるものはガク片です。しかし名前のとおり梅の花のようで可憐です。
バイカオウレン バイカオウレン
3月上旬 3月上旬
 花には雄花と雌花があります。バイカオウレンは雌雄異株の植物です。(上の画像は雄花です)
バイカオウレン バイカオウレン
3月中旬  雌花の中央には緑色の子房があります 4月上旬
 花期は1月下旬~3月下旬頃までで、花が終わると果実ができます。果実は熟すと中から種子がこぼれて、種子でもよく増えます。種子でもと言うのは、親株は糸状の根茎を地中に這わして、株でも増殖するためです。後で、このページの1番上の画像と、1番下の画像を見比べて下さい。約1年の間に株が大きくなって、増えていることがお分かりになると思います。
バイカオウレン  バイカオウレン
10月中旬  12月上旬
 バイカオウレンは常緑の多年草です。花が終わる頃から新しい葉が出てきて古い葉と入れ替わります。寒くなってくると、葉は赤く変色することが多いです。
 
 冬も土が乾かないように灌水をしています。特に乾燥した日が続くような時には、1日1回朝に水を与えるようにしています。山野草なので耐寒性は優れています。少々霜に当たっても枯れることはありませんが、できれば霜に当てない方が無難です。積雪については特に問題はないと思っています。
 夏はできるだけ風通しの良い場所に置くようにします。涼しい場所に自生する植物なので、猛暑と蒸れには注意します。

 鉢植えの用土は赤玉(小)と桐生砂を5:5の比率で混ぜたものを利用し、そこに広葉樹や針葉樹の枯葉を混ぜています。腐葉土ではなく枯葉にしているのに特に理由はありませんが、枯葉は近所の山や公園へ行けば簡単に入手できるので節約になります。ラン科植物に代表されるように、植物は多かれ少なかれ土中の様々な菌類と折り合いをつけて生育しています。枯葉が腐食する過程で増殖する菌の中には、野草にとって必要なものもあるのではないかと考えています。もちろんその反対もあるでしょうが、野草は山や野で誰にも管理されることなく育っているわけですから、菌もまた肥料の1つぐらいの感覚で育てるようにしています。そのため肥料は年に1回、固形肥料をほんの少量花後に置き肥するのみで、液肥は使用していません。植え替えは株が増えたら株分けするので、その時に新しい用土と枯葉に換えています。

  (サイト内リンク)自生地のバイカオウレン(動画有り)   

(最終更新日 2017年9月13日)


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