キ リ
キリ科キリ属の落葉高木(学名:Paulownia tomentosa) 中国原産と言われる帰化植物。口丹波地域の山地では野生化したものが普通に見られる。樹高は10~15m程度のものが多い。樹皮は灰褐色で皮目が多く、老木では縦に裂ける。葉は対生し、長い葉柄がある。葉身は広卵形で、長さが30cm近くになるものも多い。葉の縁は全縁~浅い鋸歯縁で、鋸歯のあるものは先端が尖っている。葉は両面に毛が生えている。花序は大きな円錐花序で、前年の秋にツボミが形成され、殆ど葉の展開と同時に花が咲く。花は長さが5~6cmの筒状で、花冠は5裂する。花の色は淡紫色。果実は蒴果。 キリは生長が早く、家に女の子が誕生すると本種を庭に植え、その子が嫁ぐ時にキリ材で箪笥などの家具を作って嫁入り道具として持たせる風習があった。そのため民家の庭や、周辺の空き地や畑の片隅にキリが植栽されている風景が、かつては割と普通に見られたが、最近は殆ど見られなくなった。キリ材は軽くて狂いが少なく、木目も美しいため高級木材とされ、専門の材木店などもあったが、これも近年は見かけなくなったように感じる。 花期は5-6月頃。 |
樹形 2017年5月 南丹市 | 古木の樹皮 2017年5月 南丹市 |
葉は全縁から画像のような鋸歯縁まで様々 2017年5月 南丹市 | 円錐花序につく花 2017年5月 南丹市 |
花冠は5裂し毛が密生している 2017年5月 南丹市 | 萼は5裂 分厚くグローブのように見える 2017年5月 南丹市 |
本年の果実と翌年の花序 2016年12月 南丹市 | 果実 2014年6月 南丹市 |
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