キクタニギク(アワコガネギク)

 キク科キク属の多年草(学名:Chrysanthemum seticuspe f. boreale)

本州、四国、九州に分布。別名アワコガネギク。乾燥気味の崖や山麓の斜面などに生える野菊の一つ。和名の元となる京都市東山区菊谷川周辺では開発によって絶滅したそうで、京都府レッドデータブック2015年版で絶滅危惧種にランクされた。茎は叢生して高さ100~150cmほどになる。葉は互生。葉柄があり、葉身は長卵形で、羽状に中裂~深裂して、裂片の先端は尖っている。葉の質は薄く、葉身の長さは5~7cmで両面有毛。頭花は茎や枝の先に多数つき、花の色は黄色で、筒状花の周囲に多数の舌状花がつく。舌状花は短く、頭花の直径は15㎜ほどと小さい。頭花は花後に点頭する。花後の果実は痩果で冠毛は無い。頭花の総苞は長さ4㎜ほど。総苞片は3~4列で外片は線形~狭長楕円形。

道路工事における法面緑化の過程で、植物の種子を法面に吹き付ける工程があるようで、外来のキクタニギクの種子が吹付け用の種子に混じっていることがあり、各地で海外(朝鮮半島等)から来たキクタニギクが確認されているそうです。

京都府内の分布記録では丹後地域~山城地域まで広範囲であるが、自生地は限定的で数は少なく、南丹地域における生育は「現状不明」とされている。また、府内では石灰岩地や緑色岩地に出現する傾向があるようで、下の画像のものは条件的には合致しているので外来種ではない可能性が高いと思われます。

 花期は10-12月頃。


キクタニギク キクタニギク
山地の崖に生える本種  2022年11月  南丹市 2022年11月  南丹市
キクタニギクの花後 キクタニギクの葉
  2022年11月  南丹市 頭花は花後に点頭する  2022年11月  南丹市
キクタニギクの葉 キクタニギクの葉
葉身は3~5中裂~深裂  2022年11月  南丹市 葉の表面に毛が散生する  2022年11月  南丹市
キクタニギクの葉裏 キクタニギクの総苞
葉の裏面には毛が密生する  2022年11月  南丹市 総苞  2022年11月  南丹市
キクタニギクの花 キクタニギクの花
花色は黄色  2022年11月  南丹市 頭花の直径は15㎜ほど 2022年11月  南丹市
キクタニギクの総苞片 キクタニギクの花
総苞外片は線形~狭長楕円形  2022年11月  南丹市 筒状花・舌状花とも多数つく  2022年11月  南丹市
キクタニギク(動画)
2022年11月 南丹市
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