カリガネソウ

 シソ科カリガネソウ属の多年草(学名:Tripora divaricata)

 全国に分布し、口丹波では山地の沢沿いなど、日陰で常に湿り気のある場所に生えている。緑色岩や石灰岩質の地層を好むようで、府内での自生地は限られ数も少なく、府のRDBでは準絶滅危惧種に入れられている。図鑑やネットで調べると、草丈が100cm程度と出ているものが多いが、自生地の群落ではせいぜい50cm以下のものばかりだった。その代わりに茎の上部で分かれた各枝は、すべて横に長くのび、差渡し100cmを超えるものも多かった。薄暗い場所で効率良く光合成をするために、そのような草姿をとっているのかも知れない。茎には4稜あり、白い開出毛が生えている。葉は対生し、三角状卵形で先端は尾状にのびる。上部の葉以外には長い柄があり、縁は鋸歯になっている。枝先や上部の葉腋から集散花序を出し、青紫色の花をまばらにつける。花は一見ラン科の花を思わせる。花冠は長い筒の先が5裂し、下の裂片は唇状に大きく下にのびて、濃青紫色の斑点が目立つ。4本の雄しべと1本の雌しべは束になって、上部裂片に沿うように飛び出し、大きく下向きに湾曲する。雌しべが最も長い。全体的に悪臭を放つ。

 花期は7月-9月頃。


カリガネソウ カリガネソウ
2014年10月  南丹市 果実期のカリガネソウ   2014年10月  南丹市
カリガネソウ カリガネソウ
2014年10月  南丹市 果実   2014年10月  南丹市
カリガネソウ カリガネソウ
群生地   2014年7月  南丹市 枝は横に広がる   2014年7月  南丹市
カリガネソウ カリガネソウ
花序   2014年7月  南丹市 ツボミ   2014年7月  南丹市
カリガネソウ カリガネソウ
最も長いのは雌しべ   2014年7月  南丹市 2014年7月  南丹市
カリガネソウ カリガネソウ
2014年7月  南丹市 蜜を吸うハナバチ   2014年7月  南丹市
カリガネソウ カリガネソウ
花の後ろ姿   2014年7月  南丹市 2014年7月  南丹市
カリガネソウ カリガネソウ
茎や葉柄には毛が生えている   2014年7月  南丹市 2014年7月  南丹市
カリガネソウ カリガネソウ
葉の先は尾状に尖る   2014年7月  南丹市 葉の裏側   2014年7月  南丹市
カリガネソウ(動画)
2017年9月  南丹市
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