動物による食害

 京都府内では近年、シカやイノシシ、ニホンザル等による農作物被害は深刻で、シカ、イノシシについては狩猟や罠による捕獲頭数目標が設定され、過剰に増えた頭数を抑制する努力が続けられています。これらの動物は山に食料が無くなったために里まで下りてくるもので、山地に生える草木が被っているダメージは里の野菜の比ではありません。府内の山野では、シカの忌避植物だけが残って繁栄し、それ以外の多くの種が減少し続けています。ここでは、京都府の希少種を中心に、被害の様子を掲載していきます。


 ウメガサソウ

 京都府絶滅危惧種。 背の低いウメガサソウでも、茎が伸び始めると柔らかい上部がシカに狙われます。この自生地では開花結実に至る株は少数です。

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ウメガサソウ
 キンラン

 京都府絶滅危惧種。 茎の上部が食べられています。キンランは年によって生長度合が変化し、大きく育って多くの花をつけた翌年には萎縮した小さな株になってしまうこともあるように思えますが、食害を受けた右画像の株は翌年発芽しませんでした。

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キンラン
  ナツエビネ

 京都府絶滅危惧種。 ナツエビネやエビネの葉は、あまりシカが好むものではないようですが、豪雪地帯では他に食べられるものが無く、雪の下にある常緑のエビネ類の葉が狙われます。また花後の果実はよく食害に遭っています。

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ナツエビネ
 ナツエビネ
  ヒナノウスツボ

 京都府絶滅危惧種。 シカによる食害をよく受ける植物だと思えます。沢沿いに生え、シカが行けない足場の悪い湿った斜面などに僅かに残っているのが現状でしょう。

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ヒナノウスツボ
 ヒナノウスツボ
  カリガネソウ

 京都府準絶滅危惧種。 「京都府レッドデータブック2015」には悪臭がするためシカは食べないと記載されています。南丹市内で2ヶ所の自生地を知っていますが、1ヶ所の群生地では食害はないものの、もう1ヶ所では右画像の通り食害を受けていました。時期は6月で開花前の大切な時期にあたります。切羽詰まればシカも好み云々など言っていられないのかも知れません。

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カリガネソウ
 カリガネソウ
 キリンソウ 

 京都府準絶滅危惧種。  キリンソウは茎の上部(時には根元まで)食べられ、この自生地では花を見たことがありません。同じ仲間のミツバベンケイソウは切り立った崖などに生えるために食害の影響は殆ど見られませんが、キリンソウの食害は深刻です。

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キリンソウ
 キリンソウ
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