イワナシ

 ツツジ科イワナシ属の常緑小低木(学名:Epigaea asiatica)

  北海道、本州の主に日本海側の低山から亜高山に分布する日本固有種。口丹波地域では広く山麓以上の岩壁や林縁に生育し、ごく普通に見ることができる。茎は数個の枝を出し、地を這うように長さ20cmほどのびる。茎には褐色の毛が生えている。葉には柄があり葉身は楕円形で、若い葉は赤味を帯び、古くなると表面は濃緑色となる。葉は硬く、表面は短い毛がまばらに生え、縁には褐色の毛が多く生えている。葉の裏面脈上にも褐色の毛が生えている。冬の間に総状花序を形成し、春に淡紅色で筒状の花を数個つける。俗にメイフラワーと呼ばれる植物の1つとされる。花冠は長さ10mmほどで、先端は5裂し、裂片は三角形をしている。花冠の先端の方が赤味が強い。雄しべは10個、雌しべ1個。果実は扁球形の蒴果で、果皮は膜質。花被には白色の腺毛が密生して触ると粘つく。果実の胎座は肉質で熟すと甘酸っぱく食べることができる。種子は小さく、胎座上に多数つく。

 花期は3-5月頃。


イワナシの葉 イワナシの葉
葉の表面 縁に目立つ毛が生えている  2017年12月  自宅植栽 葉の裏面 脈上に淡褐色の毛が生えている  2017年12月  自宅植栽
イワナシの葉 イワナシの若い枝
若い葉は赤味を帯びている  2017年12月  自宅植栽 若い枝も紅紫色で毛が密生している  2017年12月  自宅植栽
イワナシの花序 イワナシの果実
冬の間に花序が形成される  2016年1月  右京区京北 果実期にも萼や柱頭は残っている  2015年5月  南丹市
イワナシの果実 イワナシの果実
果実は薄い果皮に包まれている  2015年4月  南丹市 熟した果実 果皮には腺毛が生えている  2015年4月  南丹市
イワナシ イワナシの花
樹形 葉は互生する  2015年3月  亀岡市 イワナシの花  2015年3月  (右京区嵯峨)
イワナシ(動画)
2018年4月  右京区京北ほか
 ユーチューブのアカウントをお持ちの方へ
再生中の動画の右下隅に出ている小さな「ネコ」の画像をクリックするとyatagarasuチャンネルのチャンネル登録ができます。チャンネル登録していただけると大変励みになります。
ふる里・口丹波の花と植物(トップページ)




inserted by FC2 system