イヌガンソク

 コウヤワラビ科コウヤワラビ属の多年草

 夏緑性のシダ植物。全国に分布。口丹波地域では山地の沢沿いなど陽当たりが悪く、やや湿った場所に生育している。根茎は短く斜上し葉を数枚出す。葉柄基部の鱗片は淡褐色の披針形で密につく。葉には2形あり、栄養葉の葉身は卵状広楕円形の単葉状複葉で、深緑色をしている。羽片には短い柄があり、中心よりも先の方が最も広くなる。羽片の切れ込みは浅裂~深裂。胞子葉は栄養葉よりも短く、栄養葉よりも後から出て、単葉状複葉。羽片は裏側に強くそり返って辺縁は内側に巻き込みソーラス(胞子嚢群)を抱く。胞子葉は枯れても越冬し、翌春まで残る。枯れて乾燥した胞子葉は花材として珍重されている。葉が大きく、切れ込みの深いものをハゴロモイヌガンソクと呼ぶこともあるが、京都府では区別されていない。以前は普通に見られたシダだが、近年は数が減少しているように思われる。シカの食害に遭っているのかも知れない。



イヌガンソク イヌガンソク
胞子葉  2016年9月  京丹波町 胞子葉 辺縁はソーラスを抱くように内に巻く  2016年9月  京丹波町
イヌガンソク イヌガンソク
林道脇に生えるイヌガンソク  2016年5月  京都市左京区 前年の胞子葉がまだ残っていた  2016年5月  京都市左京区
イヌガンソク イヌガンソク
展葉中のイヌガンソク  2016年5月  南丹市 新葉は鮮緑色  2016年5月  南丹市
イヌガンソク イヌガンソク
枯れた胞子葉は花材に利用される  2016年4月  南丹市 葉柄基部の鱗片  2016年3月  南丹市
イヌガンソク イヌガンソク
前年の胞子葉  2016年3月  南丹市 前年の胞子葉 辺縁は内側に巻いている  2016年3月  南丹市
イヌガンソク(動画)
2017年3月 南丹市  2018年5月・10月 京丹波町
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