イワナシの育成記録



 イワナシは北海道から本州の主に日本海側の低山から亜高山帯に分布するツツジ科の小低木です。茎は30cmほど伸びますが直立せず、横に広がる樹木です。口丹波地域には全域の山で見られ、数も多く自生しています。しかしイワナシは移植が難しく、特に成木の移植は非常に困難なため、植栽してもすぐに枯らせてしまったという人の声を多数耳にします。また分布の状況から、やや冷涼な環境を好み、太平洋側の都市部での育成は、特に夏場の管理ができるかどうかにかかっているように感じます。真夏の日中は全国どこでも猛暑となることがありますが、夜には湿り気のある涼しい風が吹き、熱を蓄えた植木鉢の中まで冷やされるような状況をつくることが重要だと感じます。イワナシの育成は、入手する前に、そのような環境に適した場所があるか、またはつくり出せるかを検討することをお勧めします。

 ここでは、管理人が植栽しているイワナシの生長記録を紹介しています。 
イワナシ  2013年11月上旬  植栽半年後のイワナシ

 画像の半年前にトキワイカリソウと一緒にやや浅めの平鉢に植栽しました。中央に大きめの石を置き、2種類の植物を対角に植えました。イワナシは画面左手前にありますが、小さいためまったく目立ちません。

 一方、トキワイカリソウは秋の紅葉が美しく、見応えがあります。
















 上段のイワナシの拡大画像です。

 鮮緑の新葉も出ていますが、勝手に生えているチドメグサの葉と比較しても小さな葉であることが判ります。
 チドメグサはピンセットなどで除去します。
イワナシ
イワナシ  2015年3月中下旬  上の画像から2年が経過しました

 子どもの間は生長スピードが遅く感じます。分枝は茎の下部でしています。茎も枝も直立せず、地面を這います。

 右隣に見えるのはスズシロソウで、近くに植栽していて、匍匐枝が伸びてきたものです。放っておけば発根するので、これも除去します。また胞子が飛んできて、シダ類なども生えてくるので、気が付けば引き抜くようにしています。ここではイヌカタヒバがイワナシのそばに見られます。













 同じ日、花を1個見つけました。たった1個ですが、植栽後初めて咲いた花なので感動しました。ただこの花は結実することはありませんでした。
イワナシ
イワナシ  2015年4月中旬  花後のイワナシ

 後方でトキワイカリソウの開花が始まるころ、イワナシは生長を始めます。新しい枝が伸び始め、新葉も出て来ます。



 
イワナシ
イワナシ   2016年2月下旬  大きくなったイワナシ

 また一年が過ぎ、随分と大きくなりました。各枝先には赤いツボミをたくさんつけ、多くの花が期待できます。
イワナシ   2016年3月下旬  開花したイワナシ

 期待通り、花が多く咲きました。感無量です。
イワナシ
イワナシ   2016年4月中下旬  花後のイワナシ

 花後に果実もできました。この段階ではまだ未成熟ですが、5月中旬頃になれば熟れて食べられるようになります。果実はサクサクとした歯ごたえがあります。
イワナシの栽培記録(動画)
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 鉢植えが適しています。上の画像のイワナシは底に山土、上に硬質赤玉(小)と桐生砂の混合土を使用しています。植物がそれなりに大きくなった時のことを考えて、最初から大きめの容器に苗を植えました。植栽後一度も植替えをしていません。また屋外に置いていますが、風通しが良く、日中は明るいめの日陰となる場所に置いています。今まで肥料は与えていませんでしたが、花や果実をつけだしたので、今後は液肥を薄めたものを秋に少量与えてみようかと思っています。イワナシは貧栄養な岩場や山の斜面に生育している植物なので、肥料の与え過ぎは逆効果になると考えます。

 イワナシは管理人の別サイトで販売をしています。新規ご購入をお考えの方は1度チェックしてみて下さい。販売のページはコチラです。

 (サイト内リンク) 自生地のイワナシ(動画有り)

(最終更新日 2018年12月13日)


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