ハルトラノオの育成記録



 ハルトラノオはタデ科の植物ですが、この仲間の中では珍しい春に花が咲く多年草です。しかも花の少ない、まだ肌寒さの残る3月上旬頃から開花し始めるので、とても嬉しい野草です。自生地は夏でも涼しい山地の林下や谷筋の湿った場所で、ちょっと育成は難しそうに思えますが、意外とそうではなくて、比較的育て易い野草だと思います。

 ここでは、植栽しているハルトラノオのライフ・サイクルを紹介しています。 
ハルトラノオ  10月中旬  地上部は枯れます。

 冬季は地上部が枯れ、休眠生活に入ります。画像の黒い部分は根茎で、この部分は枯れません。屋外に置いておく場合、冬季は上に軽く用土を被せて、直接霜に当たるのを防ぎます。
ハルトラノオ  2月中~下旬  新芽が出てきます。

 芽を出すのはとても早くて、1年で1番寒いこの時期に芽が出ます。
ハルトラノオ   3月上旬  花序が出てきます。

 芽が出るとすぐに白い花穂も出てきます。
ハルトラノオ  3月中旬  開花が始まりました。

 まだ冷え込みの厳しい日もある3月中頃から開花し始めます。この時期の葉はまだ小さく、花はよく目立ちます。
ハルトラノオ  3月中~下旬  花は花序の下の方から咲き上がります。

 小さくて、とても可愛い花が咲きます。タデ科の植物といえばミゾソバやイヌタデなどを想像する方も多いと思いますが、それらの花とはかなり違った風情があります。花では雄しべの紅紫色の葯(花粉がついているの部分)がとてもよく目立ちます。また花弁は無く、白い花びらに見えるのはガクになります。
ハルトラノオ  3月下旬  花も多くなり、葉とのバランスも1番いい時期です。

 花は順に咲いていくので、比較的長く楽しむことができます。
ハルトラノオ  4月中旬  葉が繁ってきました。

 花期も終わり頃になると、葉が大きく繁って花後の花序は隠れてしまいます。この後、葉の色は徐々に濃くなって夏を迎え、夏の間は葉が繁っています。



ハルトラノオの栽培記録(動画)
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 自生地は湿った場所のため、用土は赤玉や鹿沼に桐生砂などを多めに混ぜ、水はけの良い状態にして植えつけます。その時腐葉土も適量混ぜるようにします。植えつけや植え替え時期は、休眠期が良いと思いますが、早く休眠から覚めて芽を出すので11月~12月頃が良いでしょう。ただその時期でなければならないということはありません。花が咲いている間は日差しも柔らかいので、屋外の陽当たりの良い場所に置いて大丈夫です。陽射しが強くなって来ると、明るく風通しの良い日陰に移すようにします。水は好きな方なので乾燥と蒸れに注意します。上の画像にもあるように、可愛い花とは対照的に太くて大きな根茎があり、最初は小さくてもすぐに太ってきます。そのため少し大きめの植木鉢で育てるようにします。肥料は花後に遅効性の固形肥料を少量置肥する程度で構いません。

  (サイト内リンク)自生地のハルトラノオ

(最終更新日 2019年1月12日)


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