ハグロソウの育成記録



 ハグロソウは山麓のやや湿った日陰に自生しています。しかし時々、民家近くの草むらの中でも見つかることがあります。育成は容易な山野草の1つですが、特に夏場は終日日光が当たるような場所には置かないように注意します。強い日差しから花や葉を守るために、庭植えの場合は他の植物(広葉樹など)の根元付近で、日陰になる場所に植えるようにします。また鉢植えの場合は風通しが良く、軒下のような明るいめの日陰が適しています。
 灌水は土の表面が乾いていたら、たっぷりと水を与えます。夏場は日照・気温によって朝夕2回与えた方がよい日もあります。肥料は土に腐葉土が混じっていれば秋に少量の固形肥料を置肥する程度で構いません。また用土は特に選びません。市販の鹿沼土や赤玉土を混ぜたもので大丈夫ですが、粒の小さいものの方がいいでしょう。私は小粒の赤玉土と桐生砂を適当に混ぜて、冬に山で集めた枯葉を少々混ぜたもので育てています。

 ここでは、植栽しているハグロソウのライフ・サイクルを紹介しています。 ハグロソウは夏緑性の草本なので、晩秋には地上部の茎や葉は枯れます。
ハグロソウ  2012年1月中旬  地上部は枯れています。

 地下にある茎や根は枯れていません。冬季でも土を乾燥させることは厳禁です。
ハグロソウ  2012年1月中旬  冬芽が見えるものもあります。

 黄色い矢印で示した部分の緑色の芽が判るでしょうか?
 ほんの数ミリ、緑色の芽を地上に出して越冬する個体もあります。野生では芽の上に枯葉が乗ったり、薄らと土を被ったりしていると思われます。この芽は、霜に当たっても特に問題はありませんが、念のために上には枯葉のような軽いものを乗せてやったほうがいいでしょう。
ハグロソウ  2012年5月上旬  新芽が出てきました。

 前年から植栽しているプランターでは、冬芽から新しい葉を出すものと、前年落ちた種子が芽を出した実生とが一緒に発芽しています。
ハグロソウ  2012年5月上旬  同じプランターです。

 たくさん芽が出てきました。前年の倍以上に増えること間違いなしです。
ハグロソウ  2012年5月下旬  少し大きくなりました。

 この時点では、親株と実生株に大きさで差が出ています。当然親株の方が成長は早く、背も高くなっています。
ハグロソウ  2012年7月上旬  植え替えました

 親株も実生も大きくなってきたので、プランターから出してやりました。中には花をつけているものもありますが、新芽からこの段階に至るまでに落ちたもの(枯れてしまったもの)はありません。丈夫な植物です。


 花は1日花ですが、次から次と咲き、10月中旬頃まで楽しめます。その間多くの種子を落とすので、翌年は思わぬ場所で発芽するといったこともあります。

 ハグロソウのライフ・サイクルは以上のような感じです。以下の画像は今年も咲いてくれたハグロソウの花です。

ハグロソウ   2013年6月下旬  通常のハグロソウ
ハグロソウ   2013年6月下旬  白花のハグロソウ(これも野生種です)
 
 冬も土が乾かないように灌水をしています。特に晴れた日が続くような時には、1日1回朝に水を与えるようにしています。山野草なので耐寒性は優れています。少々霜に当たっても枯れることはありませんが、できれば霜に当てない方が無難です。積雪については特に問題はないと思っています。
 夏はできるだけ風通しの良い場所に置くようにします。涼しい場所に自生する植物なので、猛暑と蒸れには注意します。

 (サイト内リンク)自生地のハグロソウ

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