ギボウシランの育成記録



 ギボウシランは全国に分布するクモキリソウ属の地生ランですが、京都府ではまだ自生の記録がない多年草です。山地の林下に生え、全国的に見ても簡単には出会えない希少種のようです。
 灌水は土の表面が乾いていたら、たっぷりと水を与えます。私のように屋外で育てる場合、夏場は日照・気温によって朝夕2回与えた方がよい日もあります。肥料は土に腐葉土が混じっていれば秋に少量の固形肥料を置肥する程度で良いと思いますが、私は毎年植え替えをしようと思っていますので肥料は与えません。また用土は特に選びません。市販の鹿沼土や赤玉土を混ぜたもので大丈夫ですが、粒の小さいものの方がいいでしょう。私は小粒の赤玉土と桐生砂を適当に混ぜて、冬に山で集めた枯葉を少々混ぜたもので育てています。

 ここでは、植栽しているギボウシランのライフ・サイクルを紹介しています。
ギボウシラン  2012年7月中旬  購入したギボウシランを移植したもの

 購入した時には花をつけていました。小さめで底の浅い素焼き鉢に移植して、土の表面にハイゴケをひとつまみ載せておきました。

 用土は桐生砂と赤玉土(小)が約半々で、それに山で集めておいた枯葉を細かくちぎって適量混ぜたものを使用しています。

 ハイゴケはやがて土表面を覆い、用土の保湿だけでなく、微々たるものですが空中湿度を高める作用が期待できる……と思います。
ギボウシラン  2012年11月下旬  花茎も葉も枯れた状態です。

 ギボウシランは常緑ではないので、冬季には地上部の葉や花茎は枯れてしまいます。しかし画像のように当年花をつけた偽鱗茎は緑のまま残ります。この偽鱗茎を土中に埋めないのが、この種のランを育成する時の基本です。
ギボウシラン  2013年5月下旬  新葉の展開です。

 初めて育てる植物で、図鑑などでは育成困難と出ているものが多かったので、実際のところとても心配をしていたのですが、こうして新しい葉を出してくれました。
ギボウシラン  2013年6月上旬  花茎がのびてきました。

 葉は出ても、花がつくのか? と、これも心配をしていたところですが、こうして濃紫色の花茎を出してくれました
ギボウシラン  2013年6月上旬  上の画像と同じ日のものです。

 花茎はすごく細く感じます。クモキリソウやジガバチソウとは少し違った感じです。
ギボウシラン  2013年6月上旬  これも上の画像と同じ日のものです。

  昨年の偽鱗茎はまだ緑色を保っていますが、この葉や花茎は、新しい偽鱗茎から出ています。ただこの時期になるとハイゴケが鉢表面を厚く覆っているので、少し確認し辛くなっています。
ギボウシラン  2013年7月上旬  花が咲きました。

  期待していた以上の花が咲きました。
ギボウシラン  2013年7月上旬  ギボウシランの花です。

  派手な色でも大きな花でもありませんが、私はこんな花が大好きです。花の形も奇妙な形です。ランらしい花だと思います。
ギボウシラン  2013年7月上旬  開花時の葉です。

  屋外で雨風に晒していますが瑞々しく美しい葉だと思います。ナメクジの被害はまったく見られません。この葉がギボウシに似ているところからギボウシランという名前がついたのだそうです。

 購入してから丸1年、なんとか無事に育てられました。特に8月、9月の猛暑日に耐えてくれたことを嬉しく思っています。これでほんの少しだけ自信が持てました。
ギボウシランの栽培記録(動画)
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2018年撮影
 
 冬も土が乾かないように灌水をしています。特に晴れた日が続くような時には、1日1回朝夕のどちらかに水を与えるようにしています。山野草なので耐寒性は優れています。少々霜に当たっても枯れることはありませんが、私は偽鱗茎の上に枯葉を薄く載せるようにしています。積雪については特に問題はないと思っています。
 夏はできるだけ風通しが良い場所に置くようにします。涼しい場所に自生する植物なので、猛暑と蒸れには注意します。また1年を通して空中湿度が下がらないように注意する必要があります。

(最終更新日 2019年2月6日)
  


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