フタバアオイの育成記録



 フタバアオイは京都三大祭の1つ葵祭に飾りとして欠かせない植物で、京都の人には馴染み深い野草です。しかしフタバアオイは京都府では希少種の指定こそされていませんが、野生のものはあまり見かけなくなりました。シカ害や自生地環境の変化が減少の要因のように言われています。
 そんなフタバアオイですが、育てるのは簡単です。ただ日陰に生える植物なので、1年を通じて明るいめの日陰で育てます。灌水は土の表面が乾いていたら、たっぷりと水を与えます。私のように屋外で育てる場合、夏場は日照・気温によって朝夕2回与えた方がよい日もあります。肥料は土に腐葉土が混じっていれば秋に少量の固形肥料を置肥する程度で良いと思いますが、私は毎年植え替えをしようと思っていますので肥料は与えません。また用土は特に選びません。市販の鹿沼土や赤玉土を混ぜたもので大丈夫ですが、粒の小さいものの方がいいでしょう。私は小粒の赤玉土と桐生砂を適当に混ぜて、冬に山で集めた枯葉を少々混ぜたもので育てています。

 フタバアオイは夏緑性で、冬の間は葉をすべて落として越冬します。ここでは、新葉が展開する早春から開花までを紹介しています。
 2015年2月中上  匍匐茎が・・・・

 フタバアオイは匍匐(ほふく)茎が地表を這って、節々で発根して増殖します。そのため小さな植木鉢で育てると、左の画像のようにすぐにはみ出してしまいます。
 2015年2月上旬  隣のポットで根を下ろしています。

 匍匐茎はこのポットにしっかりと根を下ろしていました。ポットにはハグロソウ(後方に見えるのがハグロソウの冬芽)が植わっていましたが、占領されてしまうので移植することにしました。
 2015年3月上旬  移植しました。

 少し面積の広い鉢に移植しました。
 2015年3月中旬  新葉が出てきました。

 移植後の土はまだ落ち着いていませんが、フタバアオイはお構いなしに新芽を出してきました。
 2015年3月下旬  艶のある若葉は美しいですね。

 フタバアオイは移植を嫌わないので助かります。繁殖力も旺盛です。
 2015年3月下旬  新葉とともに出てきたツボミです。

  ツボミはほとんど芽だしと同時期に出てきます。そこからゆっくりと膨らんでいきますが、開花の頃になると多くは葉で隠れてしまいます。
 2015年4月上旬  葉はしっかりとしてきました。

  葉は徐々に大きくなっていきます。最初は殺風景な感じでも、やがて植木鉢の表面が見えなくなるくらいに繁っていきます。
 2015年4月上旬  開花が始まりました。

  葉の下に隠れるようにして、花は下向きに咲きます。だから花に気づかないこともありますが、よく探すと結構多くの花がついていたりします。
 2015年5月上旬  花が終わると葉は大きくなります。

  もともと花は葉陰で下向きに咲く地味な花で、観賞価値は花よりもむしろこの葉にあります。

 葵祭は5月15日。このように大きくなった葉が、斎王代や輿を飾ります。

 この後はまた匍匐茎がのびて、おそらくこの鉢からもはみ出るでしょう。その時には根を残して茎をカットし、カットした根付きの茎を別の植木鉢に移植すれば増やすこともたやすくできます。
フタバアオイの栽培記録(動画)
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 冬も土が乾かないように灌水をしています。特に晴れた日が続くような時には、1日1回朝夕のどちらかに水を与えるようにしています。山地に生える野草なので耐寒性は優れています。少々霜に当たっても枯れることはありませんが、やはり霜は避けた方がいいので軒下などに置くようにします。積雪については特に問題はありません。
 夏はできるだけ風通しが良い場所に置くようにします。涼しい場所に自生する植物なので、猛暑と蒸れには要注意です。
(最終更新日 2018年6月12日)

 (サイト内リンク)自生地のフタバアオイ
  


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