チダケサシの育成記録



 チダケサシは本州から九州にかけて分布するユキノシタ科の多年草で、口丹波地域では山村の水田の畦や山麓の湿った草地に生育しています。同じ株をすでに3年ほど育てていますが、毎年夏になると淡い紅紫色の花をつけて楽しませてくれます。やや湿生の植物なので、冬季でも乾きに注意が必要ですが、そのほかはあまり細かく気を遣うことなく育成できる植物なので、同属のアカショウマやトリアシショウマ同様、野草育成の入門種としてお勧めできます。

 ここでは、管理人が植栽しているチダケサシの生長記録を紹介しています。 
 4月上旬  新葉の展開

 3月下旬頃に新芽を出します。ここからは早く生長します。



 
 4月上旬  新葉の展開

 地下に大きな根茎があり、根茎から数本の地上茎を出します。そのため茎は株立ちします。
 6月上旬  数本の茎が出て葉が茂ってきました。

 チダケサシは茎の下部に多くの葉(大きな葉)を出し、茎の上部には小さな葉を少数つけます。


 
 6月上旬  数本の茎が出て葉が茂ってきました。

 茎の先には花序を形成します。茎はここから更に長くのびて、途中で枝を分けます。鉢植えでも草丈は1mほどになります。
  7月上旬  花期のチダケサシ

 画像のチダケサシはやや斜めにのびてしまいましたが、普通直立して、花は下の枝のものから順に咲き上がります。
  7月上旬  チダケサシの花

 小さな花が無数につきます。色は白色もあるようですが、画像の花は淡紅紫色をしています。花弁は細長いへら形で、近縁種のアカショウマやトリアシショウマより少し大きめです。
  7月上旬  チダケサシの花

 淡紅紫色の花は見栄えがしてきれいです。
  8月上旬  花後

 花期は結構長い方で、半月以上楽しめます。左の画像は花後の若い果実で、果実は秋に熟します。
 
 鉢植えでも庭植えでもよく育ちます。ただ自生環境はやや湿った草地なので、水切れには注意が必要です。根茎が大きくなるので、鉢植えの場合は年に1度は移植した方が良いでしょう。用土は硬質鹿沼土と桐生砂の混合土に腐葉土を適量混ぜたもので育てていますが、市販の山野草の土でも構わないと思います。毎年植替えをして腐葉土を混ぜていれば、特に肥料は必要ないと思いますが、植物の状態を見て必要と感じられたら、花後~秋にかけて置き肥されるのも良いでしょう。増殖は根茎を切って株分けするか種子の採り撒きで行います。株分けの場合はあまり細かく根茎を切らないようにします。

 (サイト内リンク)自生地のチダケサシ

(最終更新日 2016年12月16日)


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