ヒメザゼンソウ

 サトイモ科ザゼンソウ属の多年草(学名:Symplocarpus nipponicus)

 北海道と本州の主に日本海側に分布し、京都府のものは最終氷河期の遺存種と考えられ、数は非常に少なく府の絶滅寸前種にランクされている。府内の分布域は丹後~京都市北部あたりと推察される。山地に生え、湿潤なスギ林の林床や林縁、また路傍でも生育している。時に群生するが、口丹波地域では数株~数十株の群落を確認している。ザゼンソウは花が葉より早く現れるが、本種は早春に葉が出て、葉には長い柄がある。葉身は卵状心形~卵状長楕円形で長さ12~20cm、幅7~12cm。鋭頭で梅雨時期に枯れる。花は葉が枯れ始める6月頃に開花する。花序は長い柄があり広楕円形で、長さ10mmほど。長さ3~5cmの頭巾状の仏炎苞に包まれる。仏炎苞の色は暗紫褐色。花は両性花で花被片4個、雄しべ4個。雌しべは狭卵形で長さ3mmほど。下部は花軸に埋もれる。果実は翌年の初夏に熟す。
 同属のザゼンソウは滋賀県、兵庫県に稀産するが、京都府内では見つかっていない。芽立ち頃の本種はウバユリやオタカラコウなどとよく似ている。

 花期は6月頃。



ヒメザゼンソウ ヒメザゼンソウ
花期には葉が枯れ始める  2016年6月  京都市左京区 仏炎苞  2016年6月  京都市左京区
ヒメザゼンソウ ヒメザゼンソウ
仏炎苞の中の花序  2016年6月  京都市左京区 葯は黄色い  2016年6月  京都市左京区
ヒメザゼンソウ ヒメザゼンソウ
花は初夏に咲く  2016年5月  京都市左京区 花は初夏に咲く  2016年5月  京都市左京区
ヒメザゼンソウ ヒメザゼンソウ
仏炎苞の高さは4~5cmと小さい  2016年5月  京都市左京区 約1年経過した果実 完熟していない  2016年5月  京都市左京区
ヒメザゼンソウ ヒメザゼンソウ
親株のそばに子株が多数あった  2016年4月  南丹市 長い葉柄がある  2016年4月  南丹市
ヒメザゼンソウ ヒメザゼンソウ
葉は水平に広がる  2016年4月  南丹市 芽立ち  2016年3月  南丹市
ヒメザゼンソウ ヒメザゼンソウ
葉脈でウバユリと区別できる  2016年3月  南丹市 2016年3月  南丹市
ヒメザゼンソウ(動画)
2019年5月~6月  南丹市および右京区京北
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